金型に最適な
SKD61系高機能材"MAMS"

アルミダイカスト金型の焼付きでお困りの方、冷却でお悩みの方、
SKD61系高機能金属パウダーを使った、金型部品の造形をぜひお試しください。

金型用高熱伝導率材MAMSシリーズ
 “MAMS-45” “MAMS-40”
(MTS Additive Mold Steel)

鋼材組成からDMLM方式の積層造形に適した組成へ調整した、流動性に優れた球状粉末です。

⾦属3Dプリンターで利⽤可能なSKD61系高機能材MAMSシリーズを使って造形した⾦型部品の使⽤で、以下のような効果が期待されます。

  • 焼付きの低減
  • 冷却効率の向上で、サイクルタイムが短縮
  • 離型剤塗布が削減され、環境にやさしい
  • ⾃由⽔管を⾦型の内部に設計することで、⾦型寿命が向上
  • 輸出規制なく、コバルトフリーなので安心

【従来の積層造形金型】

冷却効率UPのため、水冷管から型表面を薄肉設計にするが、肉厚不足による低強度でワレによる水漏れが発生する懸念があった。

【MAMSによる積層造形金型】

高熱伝導性により厚肉設計でも冷却効率を確保でき、かつ、肉厚化によりワレ許容量UP及び水冷管形状の設計自由度が向上した。

[SKD61系高機能⾦属パウダー”MAMSシリーズ”の特徴]
  • ガスアトマイズによって製造された球状粉末は低酸素で、流動性に優れた粉末特性を有します。
  • JISの⾦型⽤鋼材組成からの改良により造形時の割れ発⽣を低減することができます。※1
  • 熱伝導率の向上により⾦型の冷却効果を⾼めることができます。
    さらに、熱応⼒も低減できヒートチェックの発⽣や⽔冷孔からの割れを抑制することができます。

※1 造形中の割れ防⽌のためベースプレート温度は200℃を推奨します。

[ラインナップ]
MAMSシリーズ鋼材相当鋼種使用硬さ範囲
(HRC)
代表的な組成(mass%)用途
CSiCrMoV
MAMS-45SKD61系ダイス鋼40〜500.230.151.20.4ダイカスト金型
MAMS-40SKD61系ダイス鋼35~450.130.151.20.4ダイカスト金型
プラスチック金型
MAMSシリーズMAMS-45
鋼材相当鋼種SKD61系ダイス鋼
使用硬さ範囲
(HRC)
40〜50
代表的な組成
(mass%)
C:0.23 Si:0.1 Cr:5
Mo:1.2 V:0.4
用途ダイカスト金型
MAMSシリーズMAMS-40
鋼材相当鋼種SKD61系ダイス鋼
使用硬さ範囲
(HRC)
35~45
代表的な組成
(mass%)
C:0.13 Si:0.1 Cr:5
Mo:1.2 V:0.4
用途ダイカスト金型
プラスチック金型

使⽤硬さはHRC40〜50の「MAMS-45」、とHRC35〜45の「MAMS-40」の2種類をラインナップ。

特性① SKD61系鋼材と比較し
高熱伝導率

造形ままの硬さを実用的なレベルに低減し、造形時の割れ発生を抑制します。造形後の焼戻し※2で硬さ調整が可能です。
※2 残留応力解放のため550℃以上での焼戻しを推奨します。

図1 造形まま硬さと造形後焼戻し温度と硬さの関係
(焼戻し[T℃×1h]2回、ベースプレート温度200℃)

MAMSシリーズは熱伝導率の向上により、金型を効率的に冷却できます。さらに、熱応力を低減し、ヒートチェックや水冷孔からの割れ防止に効果があります。

図2 各鋼種の熱伝導率比較
(レーザーフラッシュ法による測定)

特性② SKD61系鋼材同等の
引張強さと高衝撃値

引張強さ、0.2%耐力は同じ硬さのSKD61系鋼材と同等です。

図3 MAMSの硬さと0.2%耐力、引張強さの関係※3

低炭素化の効果で衝撃値は同じ硬さのSKD61系鋼材に比べて高くなります。

図4 MAMSの硬さと衝撃値の関係※3

特性③ SKD61系鋼材と比較し
ヒートチェックの発生軽減

MAMSは高い熱伝導率を有するため同じ熱履歴でも熱応力が低下し、SKD61鋼材よりヒートチェックの発生を軽減します。

図5 ヒートチェック試験結果※3
(ノッチ形状:R=6mm,深さ1mm)

図6 ヒートチェック試験の概要

※3 引張試験、衝撃試験、ヒートチェック試験は弊社のオリジナルレシピで造形した素材を用いた評価結果です。